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みつばちと日々のこと

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カテゴリ:生き物( 20 )

キュンちゃん

キュンちゃんは7月の上旬、夏の真ん中に家にきた。
ちょうど今頃の2015年、去年のこと。
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拾ったばかりの頃のキュンちゃん。


キュンちゃんは、リュウキュウアカショウビンという渡り鳥のヒナでした。
キュン、キュンって鳴くから、娘がキュンちゃんって呼びはじめました。


家に来る前、キュンちゃんは山にいた。


台風が迫っていた森の中にいた僕は、唸り声をあげている風の中に含まれていた「キュン」を聞きました。
探すと、林床の陰にうずくまっている小さな鳥のヒナを見つけました。

生まれたてってほど幼くもないけど、棘のような羽しか生えていなく、自立しようと頑張っている幼鳥にはとても見えない。

まわりには巣らしい洞もなく、ただ、親なのか、時折成鳥の声が周囲から聞こえました。

何か理由があって、そこにうずくまっているらしいのだけど。しばらく様子を見ようと、その場を離れました。

夜になって、風がいよいよ濃く低く洗うように森に吹き始めても、ヒナはそこにいました。
思いのほか元気で、少し斜面の低い位置に移動もしていました。

巣のある立枯れ木が倒壊でもしたのか、他の兄弟に巣から締め出されたのか、親が死んでやむなく巣から這い出してきたのか。

キュンキュン元気に鳴くのですが、雨も降り始めてるし、斜面の下は深い沼だしな。
この台風を生きて越えれるか。別に死んでもいいし。それが自然の摂理なら。

うーん飼うのは大変だよ?相当食うよ。それもフレッシュな生き物だけ。


そうだな。見つけなかったことにしようか。


結局、ポケットに突っこんで連れて帰りました。


かくしてキュンちゃんは、我が家に迎えられ、名前も与えられました。

キュンちゃんは想像していたよりも、大量の餌を食べました!
タイワンツチイナゴ、ショウリョウバッタ、ホオグロヤモリ、ジャンボミルワーム。。。
とにかくゴクゴク飲み込みました。

娘も妻も、僕よりもキュンちゃんを大事に世話をしました。
娘は毎日たくさんのバッタを採りに行き、妻はタイミングを見てしっかり給餌を。

キュンちゃんは応えるように大きく、綺麗な鳥に成っていきました。



何日か経つと、伸びきった棘の羽がやぶれて褐色の羽が現れた。
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この頃には、妻を見ると「おなかすいた!」って(そう見える)鳴いて呼ぶようにもなりました。


さらに何日か経つと、背中から腰にかけての特徴的なあのラインが現れていました!
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やがて、近所の熱帯魚専門店に、
”ぜんぜんそんな感じじゃない女の人(妻)がジャンボミルワーム
だけを買いにしげしげと通っている”
というちょっとワケありな光景が普通になってきた頃、キュンちゃんの巣立ちの時がきました。

春から夏にかけて、沖縄や日本本土で過ごしたリュウキュウアカショウビン達は、今度は東南アジア方面へ南下します。
健全なリュウキュウアカショウビンなら、この流れに従って仲間たちと南下しないと。
キュンちゃんの野生復帰を確実にするためにも、ここでリリースし仲間たちの旅団に合流させることは大きな意味があると考えました。
キュンちゃんもそれが宿命であると本能で解っているかのように、この頃かごの中で盛んに飛び始めていたのでした。


キュンちゃんがいた場所に行きました。
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最後のお別れ。
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娘も、さびしいながらも折角決心したのに、鳥かごを開けても、なかなか飛んでいこうとしない。
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ようやく飛んだけど、あえなく木の枝に不時着。放して大丈夫かな??
餌とれるかな。一人で生きていけるのか。
放してしばらく、僕たちはキュンちゃん用の鳴き声でそんな気持ちをキュンちゃんに問いかける。キュンちゃんもまた「キュン」と応えていました。

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ためしにリュウキュウアカショウビン成鳥の鳴きまねをしてみる。
「フィッフィーー」

応えるように鳴きかえしてくる個体がいる。
キュンちゃん、飛べよ。周りに仲間がいるぞ。飛んで、南下する仲間たちの旅に加われ。ここにいてはいけない。

いつまでも見ているわけにもいかないから、ここでお別れ。
僕だけは明日、またここに様子を見に来るとして。


翌日の夕方、またキュンちゃんを放した場所に来てみました。
どこを見てもキュンちゃんの姿はなく、鳴きまねをしてみても応える者はいませんでした。

さすがにどこかにいってしまったか。
割と近くに道路あるし、ひと肌恋しくて飛び出したりして轢かれてないだろうな。
この辺カラスが多いのも恐いな。
あいつ大丈夫かな?
どこか予想していた通り、こんな別れになってしまったね。

ふいに携帯が鳴りました。
森の入り口で待っててもらっている仕事の先輩からでした。
「なんかアカショウビンが飛び出してきて、そっちの方向に飛んでったけど、来てる?」

そう言い終わるのを聞くより早く、目の前に一羽の赤い鳥が現れた。
立派なリュウキュウアカショウビンがとまっている。
キュンちゃん?違うか別の鳥か。

そしたら、「キュン」って鳴きよった。
家でやってたように、僕の方を見て、頭をクイックイッてした。

キュンちゃんだった。僕を覚えていて、飛んできたのでした。

(頭をクイックイッと揺らすような行動は、僕たちを見つけては何か言いたくて呼んでる時によくやる行動でした。)
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目の前2mぐらいの距離の枝にとまって「キュン」って鳴いている。
先輩によれば、大きな毛虫をくわえていたそうです。
すごい!自分で獲物を捕ったのか!? いつも家では自分でしとめきれず、口先まで運んであげていたのに。
たった一日で逞しくなったなあ。
妻と娘が見たらどんなに感動しただろう。



2016年、夏。これから秋にかけて、沖縄はリュウキュウアカショウビンの渡りのルートの一つになります。
キュンちゃん。この声の主はお前だったりしないかな、って思いながらこの時節の帳をくわえて飛ぶものたちの気配を楽しもうかな。





※野鳥を捕獲・飼育することは「鳥獣保護法」により原則として禁止されています。
今回、やむを得ない状況であったため保護。
その後、野生動物ドクターの長嶺先生がいらっしゃる「ながみね動物クリニック」へ相談、野生復帰のタイミングなどを確認し、鳥屋の先輩方からも助言を頂きながら保護を続けました。
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by archae88 | 2016-07-21 17:10 | 生き物 | Comments(0)

初夏のアコウクロウ

沖縄は真夏のような暑い日々が続いていますが、

夕方になって陽が落ち始めると、とても心地よい風が吹いてきて、

過ごしやすい時間が訪れます。

この黄昏時のわずかな時間に、

沖縄では方言で「アコウクロウ」と名前がついています。


最近は、その時間に娘を遊ばせによく公園へ出かけます。

先日行った公園で、アコウの木にオリイオオコウモリが

実を食べに来ていました。



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よく見ると、あかちゃんがくっついていましたよ♡



実もきれいですね。

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今は、ホルトノキの花も満開です。

細かな花が夕陽の光につつまれて、とてもきれいでした。


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色んな虫も来ていて、木の下は虫の羽音で響いていました。

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娘は顔を真っ赤にして、ずーっと虫を追いかけていました。

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我が家の、初夏の穏やかなひとときでした。

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by archae88 | 2015-06-26 23:37 | 生き物 | Comments(0)

ハブのはなし

沖縄を代表する蛇、ハブ。
ハブにはいくつか思い出があります。

昔、こんな体験をしました。



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山原、初夏。



西海岸の座津武という場所で虫採りをしていた僕は、ジムニー(当時の愛車)で林道を流していました。

梅雨が明け、虫たちがムワッと溢れかえる頃。
あてどもなく珍虫を追い求めていた僕は、虫たちの気配が気になって気が気じゃありませんでした。

瞳孔ばっくりの挙動不審でしょう。もしもこの時、警察に職務質問されていたら長引くのは必至な感じでした。


緩やかな上り坂を上がりきり、左カーブに差し掛かったとき、前方に白い2tトラックが止まっていました。
狭い道の真ん中に止まっているから、抜こうにも抜けません。それに、後に運転手らしい人がいて、何か道に横たわっているものを覗き込んでいました。

どうやら、蛇を轢いたようでした。それもハブを。

僕は興味本意で車を降り、おっさんに近寄りました。
半袖に作業着ズボンの小太りのおっさんは、僕をチラッとだけ見て、僕が話しかけるより先に、愛想の良い感じで言いました。

「ハブ轢いたけどよー。雌だなあ」
おっさんが言いました。
雌?

「卵があるさー」
見ると、裂けた腹から卵巣のようなものが飛び出していて卵のような物が見えました。

っていうか、体はよじれて皮は裂け、新鮮な肉と内臓が露になって艶々としていて、かなり凄惨でした。

おっさんは何だかばつが悪そうに、あいやー的に頭をかいて、それでも気持ちを入れ換えたようで、明るい感じでまたトラックに乗ってサッサと行ってしまいました。

せっかくだからまじまじと見てやろうと、僕はハブに近寄りました。
前屈みになり、轢かれたばかりの雌のハブの死体を見ました。

さっきまで生きて動いていたとは思えないぐらい、悲惨な姿になっていました。全く動きません。

大きなハブ。1.4メートルぐらいはあろうか。
顔は、まだ綺麗だ。
…これはなんだ?やっぱり卵なのか。

僕はさらにグッと近づこうと、体勢をいったん起こそうとしました。

その瞬間、何かの視線を感じて、ギクッってなった。

瞬時に、視界の端にいる視線の主をとらえた。

僕とハブの死体から少し離れた路肩の茂みから、別のハブがこちらをジーッと見ていました。

僕はぎょっとなって、明瞭に怯んだ。

しばらく、思わず視線を交わした。

…頭のサイズから見て、死んでいるハブと同じぐらいの大きさだ。
なんだ?何してる?

突然、怖くなりました。
子供が恐々犬を追い払うように、僕はシッシッと茂みのハブに向かって威嚇しました。

だけど、ハブは僅かに顔を揺らすだけで、なかなか動こうとしない。ジーッとこちらを見ている。

こいつは何か考えている?

僕はもう完全に恐々と、シッシッとした。

ハブは、ゆっくりと、渋々と、名残惜しそうに茂みの中に踵を返した。

よし。いなくなった。

ハブが茂みの奥にいなくなってから、ゆっくりと、轢かれたハブに視線を戻した。

…。
さっきのハブはこいつの仲間なのか。こいつを気にしているのか。つーかヘビってあんなことするのか。あいつは何してた?
色々な疑問が頭をよぎりました。

ふと視線を感じた。

僕はゾクッとした。

見ると、なんとまたあのハブが同じ茂みからこちらを見ている。

真っ直ぐに、目が合った。瞬間、全てを悟った。

このハブの夫だ。

あの視線は僕を射ぬくためなどではなく、僕の向こうの彼女を見ていた。
横たわって動かなくなった妻の死体を見ていたのだ。

さすがに、死んでいることはわかったのだろう。そんな気がした。

僕にはハブの気持ちはわからない。ハブ語も知らない。

ただ。

あの目は泣いていたのだろう。
相方を置いては行けなかったのだろう。

僕は、悲しいような恐ろしいような気持ちを押さえつつ、逃げるようにその場を離れました。

6月の頃、太陽と森がとても仲良くて、行けばいくほど生きものの匂いが濃くなって、期待と興奮で一人だとむせかえりそう。
命の活気に満ちた、木漏れ日の差す林道で、一つの命が消えていました。もしかしたらいくつかの命が。




さて、2015年1月。

最近、猫と小鳥の轢死体をよく見かけます。
もはや日常の光景とも言えます。

死んでいる彼らそれぞれがドラマの主人公で、何かの最中に突然命を落としていたとしたら。
きっと彼らは、自分が死ぬなんてわからなかっただろう。

そう考えると、何とも言えない気持ちになります。

あの夫婦ハブはどうしただろう。あの時、僕が去ったあと、寄り添ったのだろうか。

そもそも夫婦なんて。

僕の単なる想像に過ぎないけれど。



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ハブの脱皮殻。
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by archae88 | 2015-01-31 10:07 | 生き物 | Comments(2)

シロチドリ

一昨日、ある浜で夜でしたが、

シロチドリ(貴重種)のひなを見つけました。

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かっわいいでしょう!!

暗闇の中、夫がシロチドリの声がするというので、声の方をたどると、

ひなと、ひなを誘導している親鳥がいました。

コマツヨイグサを知っている方は分かると思いますが、

あの花くらいの大きさです♡

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娘もメロメロ~ってなっていました。

(白くとんじゃってますが、ライトの先にちびっこいのがいます)

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実は今年の4月、別の浜でですが、

このシロチドリの卵を見つけていました。

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こうやって3つあるのが特徴みたいです。

親鳥は、卵の近くに他の生き物が近づこうとすると、

けがをしたふりをして、自分に気を向かせて

卵を守ろうとするのだそうです。笑。

なんてかわいい!

この時は親が不在だったのか、その姿は見れませんでしたけれど。

この卵の鳥さんはどんな鳥さんかなぁ~?と私が言ってると、

娘が「こんな鳥さんだよ!」と、見せてくれました。

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これまたかわいい♡


本物が見れてとてもうれしい。

次は、けがしてるふりした親鳥を見てみたいなぁ。

けがしてるふり、なんて。たまりません!







シロチドリは他の鳥たちとの関係から繁殖の効率を考え、

木の上じゃなくて、砂浜に卵を産むことを選んだと思われます。

ですが、砂浜は空中からも地面からも天敵に狙われやすく、

リスクが多いですが、こういった砂辺に卵を産む鳥のひなは、

すぐ飛べるようになるタフさを持ち合わせているのだそうです。

木の上などに巣を作る鳥のひなは、飛べるようになるまで

少し時間がかかるため、巣で過ごす時間も長いのだそう。


進化ってすごい。


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by archae88 | 2014-06-08 02:19 | 生き物 | Comments(4)

リュウキュウアセビ

最近、リュウキュウアセビが花を咲かせはじめました。

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たまらなく好みの花です♡

花ひとつは1㎝くらいです。

ちっちゃい月桃のようですが、花の形状はスズランのようです。



調べると、絶滅危惧種IA類に指定されていました。

と思ったら、野生絶滅になってる…      !!!!!

夫に調べてもらうと、

環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種IA類ですが、

H18に沖縄県のレッドデータブックでは野生絶滅になっていました。

採取圧(園芸目的などで人が採集することで数が減少すること)が

原因のようです。

悲しい…野生の木探しに行こうと思っていたのに。

苗木、楽天で売ってたりするよ…





盗掘。よくあるそうです。

以前、夫も、会社の方ととても貴重なランを見つけて

保護しようとしていたさなか、次行って確認すると、

地面にごっそり穴が空いていて根こそぎ採られてなくなっていた、

ということがあったそうです。

人ってやつは…




最後は各々のモラルでしかないです。

野生ではもう見られなくなってしまった、というこの悲しい気持ちは、

生き物に愛情を持つことでしか生まれないのでしょうかね…

絶滅の原因は、ほぼ3つ

採取圧 ・ 環境破壊 ・ 外来種  なのだそうです。
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by archae88 | 2014-01-15 23:48 | 生き物 | Comments(0)

クモの先生が来沖しました

本土から、クモの先生が来沖されました。


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【左から、緒方先生、佐々木先生、塩崎先生、僕】
※生息地保護のため画像を加工しています



中部蜘蛛懇談会の緒方清人さん、三重クモ談話会の塩崎哲哉さんです。
お二人とも、日本各地で精力的にクモの調査をされているクモの専門家です。

ご連絡をいただいた用件は、海の潮間帯(満潮のときに水に沈むところ)に特異的に生息するヤマトウシオグモと、最近沖縄から見つかった
新種リュウキュウカヤシマグモ(僕と娘が見つけました!)を確認したいので生息地を案内してほしい、とのことでした。



ヤマトウシオグモについては僕も知らないことが多く、琉球大学の佐々木健志先生にご協力を仰ぎ、生息地を案内していただきました。

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【ヤマトウシオグモ】



ところが、いくら探してもクモはなかなか見つからない!
結局、一番クモを見つけるのが上手かったのは、なんと同行していた妻でした。


リュウキュウカヤシマグモの生息地は近所の散歩道なので、クモの先生方を案内するなんて、なんだか変な感じです。


クモの観察をしながら、生息環境の脆弱さや、採集圧による個体の消失についてもお話をいただきました。

このクモも、この場所でしか見つかっていない状況を考えると、環境整備などで生息地がいきなり改変されないかリアルに心配です。何かいい手はないかな。


緒方先生は、カメラの知識や撮影技術もプロフェッショナルで、いろいろなアドバイスをいただきました。本当にありがたいです。


お二人とも初めてお会いするのに、とても気さくで楽しく、何より、クモへの愛情をビシビシと感じました。

僕なんてまだまだ薄っぺらくて、なんだか嬉しいなあ。
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by archae88 | 2013-09-29 16:55 | 生き物 | Comments(0)

インコとタウチー

忙しい中で、ちょっと日々のことを。

先日、おうちからお店へ行く途中。

きみどり色の鳥が道脇に見えました。

帰りがけ、気になりそばまで行くと、インコが死んでいました。

なんだか放っておけなくて、持ち帰り、

夫に言って近くの森の木の下に埋めてあげました。

実のついた枝をそなえました。

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そうして帰ろうとすると、タウチーが横切りました。

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たまに見かけますが、いつも胸が痛くなります。

タウチーは、勝負に負けると負け癖が付き、

戦うことすら怖がるようになります。

そうなったタウチーは、こうやって捨てられるのです。

このタウチーも傷だらけで、私が近づくとビクビクとして

奥の方へ逃げて行きました。

あえて負け役として使われたりするのもいるんだとか。



ここ、いつもタウチーが捨てられています。

なんとも言えない。

私は、いつも胸が苦しくなります。
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by archae88 | 2013-08-10 03:40 | 生き物 | Comments(0)

新種リュウキュウカヤシマグモ

2011年5月5日

近所の散歩道で見つけたクモは、

何年も探し続けていた新種のクモでした。



【何気ない散歩道】

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晴れた春の日に、娘のみことと家の近所を散歩していました。

この日は天気が良かったから、歩きながら
二人で何気なく生き物観察をしたりしていました。

とある場所で、クモの巣が目に入りました。

壁面に、
白く汚したような小さな網がいくつもかかっていました。

何秒か眺めてて、瞬間、心臓がギュッって痛くなって、
これは!と目が身体ごと引き寄せられました。

ずっと探していたクモの巣に似ているのを思い出したんです!

グッと壁にへばりついて、瞳孔をカッと開いてよく見た。


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【上:巣】


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【上:クモに食べられたと思われるヨコバイの仲間】


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【上:ハエの仲間】


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【上:ダンゴムシの仲間】


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【上:ヤスデの仲間】


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【上:巣の入り口に出てきてるのもいるじゃないか!】



岩壁のくぼみに張られたボロボロの網。

指輪物語のシュロブよろしく網の上に散乱した獲物の残骸。

だから、全体的に汚れた壁のように見えるコロニー。


これは!!といよいよなって、挙動不審になりながらも、
なんとかサンプリングにたえるビニール袋をポケットから引っ張り出す。

一つの巣を小さな木の枝でそっとかき出したら、
奥から変なクモが飛び出してきた。

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これはあ!!!
ついに見つけた。カヤシマグモの仲間だと思った。

日本からは正確な記録のない幻のクモ(※1)。
何年もかけて、いそうなところを探しまわったのに、
見つけきれなかったクモ。こんなところで出会うなんて!!

心臓がバクバクしてて、うそでしょ~って感じで、
訳が分からなくなってしまいました。
このあたり、みことの記憶がないけど、どうしてたかな(笑)


後日、今度は一人で再調査に行き、雌雄のサンプリングと、巣、配偶行動のような個体、卵のうなど、
一連の生態写真を撮影することができました。
これらを、沖縄のクモの専門家である、東京大学の谷川明男博士へ送付し、詳しく見ていただきました。

その後、クモは、国立科学博物館の小野展嗣博士によって、和名をリュウキュウカヤシマグモ、学名をTricalamus ryukyuensis(※2)として、2013年に正式に新種記載されました。


近所の散歩道で見つけたクモは新種のクモでした。

すごいことだけど、僕は全然すごいことはしていません。
新種を求めて山奥に分け入ったわけではないですし、たまたま、
そんなクモに興味を持って気にしていただけです。
(昆虫の中のマイナーなグループなんて新種かどうかの判断さえ付かないものがごろごろいますし)

気にすると、いろんなものに気付きます。

やんばるだけが自然じゃなくて、近所の公園やコンビニまでの間にだって、いろんな自然があって、どれも奥深いものだと思います。

それと、学術的研究は研究室だけでは成り立たない。
身近なところにまず発見がある。

もちろん、新種として発表して下さる様なプロの研究者の方がいないと
何も始まりません。
でも、みんながもっと気にするようになり、そういう目線で自然に目を向けるようになると、いろんな発見や情報が集まって、自然史研究はさらに厚み(熱み)を増すのではないでしょうか。

そしてこれらは、もっと楽しんでいいものだと思います。
ただ、面白い~!だけでもいいんです。

調子に乗って随分えらそうなことを書きました!

でも、自然への気付きをもってほしいというのは、
僕の一番伝えたいところです。
面白くなって、好きになって、こういう世界が無くならないでほしい、
と感じることが自然保護の第一歩だと思います。


このクモの標本は、模式標本(※3)となり、国立科学博物館に登録され、標本室に保管されています。
また、谷川明男博士により、日本産クモ類目録に記載されました。

そして、我が家の散歩道は、このクモの模式産地(※4)となりました。


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【我に返ってみこととパシャリ】
※生息地保護のため画像を加工しています




※1 幻のクモ
日本(沖縄)からは雌の個体のみで記載されていて、正確な採集記録が無く、ここ何十年も採集記録の無いクモ。種として記載された場所は台湾で、台湾には普通に生息している。今回発見したクモは、結局このカヤシマグモとも違う、新種のリュウキュウカヤシマグモという結論になった。

※2 和名・学名
研究者が「これは新種です」と論文を発表した場合、どんな生き物にだって名前が付けられる。そのうち、日本国内で通用するのが和名、世界で共通なのが学名。学名は、国際命名規約によっていろいろと規定されている。
人間の場合、和名がヒトで学名はホモ・サピエンス(Homo sapiens)となる。

※3 模式標本
新種として記載した論文の中で、実際にその研究に用いた一連の標本のことで、タイプ標本ともいう。このうち、研究者が指定した唯一の標本をホロタイプといい、この先何百年後も、この種のことを述べる際、一番に基準となる最重要な標本。

※4 模式産地
模式標本となった個体が採集された場所のこと。



◆画像の無断での使用を禁止します◆
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by archae88 | 2013-07-10 09:54 | 生き物 | Comments(0)

へびさん

(※へびさんの写真があります。)

最近、あたたかくなったので、

森を車で走っていると、へびがよく出てくるようになりました。

夫は、普段は運転が荒いのに、林道を走るときは、

とーーーーーーっても安全運転になります。

(なんでよ! と言いたくなる)

夫は車道に生き物がいると必ず、車にひかれないように、

道脇へ逃がしてやります。

この日はアカマタが道の真ん中にいました。

せっかくだからと、逃がす前に、娘と私に見せてくれました。

つ、つかんでる…(毒はないけど、真似しないでね…)

まだヘビの毒のことが分からないので、娘はまったくおののかない。。。

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ので、つんつんしていた。。。

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そういえば、あまりヘビって触れないな、

と思い私も恐る恐る触ってみました。

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想像以上に、とてもなめらかでしっとりしていてきれいです。

模様もとてもきれいでした。

帰りの車の中で、ヘビの毒の話と、ヘビの見分け方、

パパがいる時しか触れないこと、おはなししながら帰りました。

(ヘビの怖さを知らないので、これ必要です)

夫が4歳くらいの時、

ハブをつかまえてビニール袋に入れて遊んでいたそうな…

お義母さんは未だ、この話をするたび青ざめます。笑。

よく生きてたもんだな…




やんばるの林道を走るときは、ゆっくりめでお願いね♡
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by archae88 | 2013-03-16 05:53 | 生き物 | Comments(0)

おとなりさん

春近し、でミツバチのお仕事も忙しくなってきました。

お天気やタイミングもあるので、ここ最近、

娘がお休みの時にもお仕事になっています。

娘も連れてなので、ピクニック気分で行こうと、

ぱぱぱっと簡単におべんとうを作って行きました。

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だいたい仕事が終わると、

森の中を歩いて、草花を見たり、鳥を探したり。

娘も幼いころから、よく自然散策してるので、とても楽しいようです。

この間いたクモがいないね~。

なんて、前にいた生き物や花のことをよく記憶していて、

違いに気づいたり、こんなふうに鳥さんがきたよね~

なんて思い出したのか、話しながらふふふと笑ったりしています。

最近では、名前を聞いてきたり、

なんで?と自主的なところも見られます。

彼女もそれなりの経験を積んできているようです。




暗くなってきたら、いつも楽しみにしていることがあります。

ふくろう交信です。(と私が名付けました。コールバックというそうです。)

私たち家族のささやかな愉しみになっています。

ふくろうを呼ぶ夫。この手笛、わたしも練習中です。

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娘もホウホウ、私もホホウ、ホウホウ。

この時は、二匹のふくろうが返事をしてくれました。


街の近くの森にでも、ふくろうはいるんだそうです。

みなさんの近くの森でも、ホウホウ、と言ってみると

返事を返してくれるかもしれません。

アパートのお隣さんみたいに、

自分のそばでもたくさんの生き物が住んでいる、

と思うとちょっとおもしろいですよね。





ふくろうの習性

ホウホウやホホウというと、ふくろうが返事をするのは、

縄張りのある鳥だからなんだそうです。

ここはおれの縄張りだぞっ、と鳴いて他のふくろうに示しているそうです。

夫は鳥の調査もしていますが、

この手笛を吹いてやるコールバック調査は、

この習性を利用したもので、

帰ってくる鳴き声で、数や種類を確認しているんだそうです。

これをすると、傍まで飛んできて、

鳴いてアピールしてきたりするそうですよ。

意外と強気なふくろうさんですね。笑。

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by archae88 | 2013-02-22 03:13 | 生き物 | Comments(2)