電照菊です。森を照らしていました。
遠くから見ると、イルミネーションのようできれいですね。
比較的、波長の長い光が使われているので、
虫たちは、あまり寄せられないようですが。
以前、自宅の庭に巣箱を置いていたことがあります。
気遣って、庭や玄関先の灯りは消していたけれど、
ふと見ると、玄関のドアにずっとぶつかって
狂い飛んでいるハチが数匹いました。
家の中に入ってしまって、電気の周りを飛び続けているのもいました。
隣接して、巣箱がたくさん並んでいても、
自分のおうちを間違えずに帰ることができる、かしこいミツバチです。
生き物にとって、光がどれほど大事なものか痛感しました。
わずかな灯りにも寄せられているのを見て以来、
電照菊の灯りも懸念するようになりました。
食べるものではないから、農薬もたくさん使っているそうです。
電照菊は、人の都合に合わせて、
開花時期を調整するために作られた栽培法です。
一帯が電照菊畑になっていて、
夜でも森が煌々としていた。
電照菊畑を走りながら、夫が言いました。
人が暮らす街があるように、
全く光の無い、生き物が主役の暗く深い森も残しておくべきだよね。
美しいと思う光景が、ほんとうに美しいのか、なんて考えないけど、
たまに、他の生き物の立場になって見てみると、
少し感じ方が違ってくるのかもしれないな、と思いました。