ミツバチが一生で作るはちみつは、
わずかティースプーン一杯、というのはよく知られていると思います。
でも、花の蜜からはちみつになるまでが、もっとたいへんって、
あまり知られていません。
これを伝えるのも私たちの役割かなと思うので書いてみます。
ミツバチが花から蜜を集めて、巣に戻ってきます。

巣に戻ると、採ってきた蜜を別のハチに口移しで渡していきます。

これを5匹ほどに繰り返され、やっと巣の中に貯められます。
*このとき。
花の蜜はショ糖ですが、口移しで渡していく過程で、
ハチが酵素を加えながら、ブドウ糖と果糖に分解していきます。
そのため、本来、人の体の中で行われるショ糖の分解を、
ハチが先にしてくれるので、私たちがはちみつを食べても、
分解する必要がありません。体に負担をかけることなく、
すぐに吸収し、エネルギーに変えることができるそうです。巣に貯めたからといってはちみつが完成したわけではありません。
花から採ってきた状態ははちみつではなく、花蜜(かみつ)といって、
糖度は高くて40%ほど。(花蜜の状態では発酵し、保存がききません)
水分は60、70%ほど含まれています。
ここから、巣の中のハチ達が
みんなで羽をぶーんと羽ばたかせ、風を送り、
60、70%あった水分を、20%近くになるまで飛ばしていきます(!)
そうして十分となったら、「できました」という印の蓋をします。
ここでやっと、はちみつの完成です。
写真は、はちみつ専用の枠ではないものですが、
一番上の蓋がされている部分が、完熟したはちみつです。
その下の蓋のない部分が、水分がまだ多いはちみつ。
その下の茶色い蓋の中には、ハチの子供が入っているところです。

この完熟印の蓋をはずすと…

とろ~り、おいしいおいしいはちみつができています。
蓋の中のはちみつの糖度を測ってみると、

糖度は80%を越えます。
水分は20%以下ということになります。
こうなると、常温でも保存がきき、
雨が続いたり、花がない時期などの、
きびしい状況でも生きれるように、彼らの保存食となります。
市販の安価なはちみつは、
このミツバチによる自然濃縮を待たずして、
水分の多い花蜜の状態で採取し、
そのままでは糖度が低く商品にできないため、
加熱して煮詰め、糖度を上げているのがほとんどと言われています。
加熱濃縮されたはちみつは、花の香りも味もせず、
焦げのような臭いと、喉をさすような甘さが残ります。
はちみつができるまでは、本当にたいへんです。
はちみつも、みつろうも、プロポリスも、
本当はたくさん採れるものではないのです。
ありがたくいただきたいですね。
私たちは、ミツバチ達の働きが伝わるようなはちみつを、
みなさまにお届けしたいと思っています。