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アルカエの日々のこと

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台風直後のやんばる

久しぶりに、強烈な台風をまともにくらいました。
街は街路樹の切れ端が道の脇に積み上がり、まだ信号の付いていない交差点も少なくありません。
山はどうか。やんばるのよく行く森の中を見てきました。



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林床に散らばる枝




林床のいたるところに、台風によって折れた枝や木そのもの、まだ青い落ち葉が降り積もっていました。
この分だと、やんばる中のあちこちに膨大な量が落ちていることでしょう。

動物調査の仕事で昆虫以外の動物を探索することがありますが、林床に転がっている木の枝や落ち葉は絶好の探索ポイントでもあります。
持って裏返してみると、カメムシや甲虫の仲間、陸産貝類などがよくくっついています。でもどんな枝でもいいのかというとちょっと違います。
なかでも陸産貝類は好みの枝の傾向が目に見えてわかりやすく、多くの種が「朽ち過ぎていない微妙にフレッシュな」朽ち木や落ち葉に限ってくっついています。
貝たちは枯れた植物体や付着物を食べているのでしょう。住処としても使っている様子。
同じ朽木や落ち葉でも、常にいろんな生き物に分解されてどんどん状態が代わっていくので、貝にとっては好みのそのひとときだけが大事なのでしょう。
その次は菌類が独占して食べるのでしょうか。それともシロアリか。
どんな状態の朽ち木を観察してみても、何らかの生き物の営みが感じられるので、きっと森の住人たちは順番待ちです。



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明るくなった森



台風直後の林内は、前に比べて明るくなっていました。
枝が折れたことに加えて、森を覆っていたマント群落がはがれたり枯れたりして見事に無くなっていました。
マント群落は、森を乾燥や日照りから守る一方で、台となっている木から光を奪ったり病気を引き起こす原因になるなどして、長期的にみると台木の樹勢を弱めてしまいます。台風によるこのぐらいのスパンの更新はちょうどいいのかもしれません。

人にとっての被害ばかりが取りざたされる台風ですが、はるか昔からそこにある森からすればもうとっくに慣れっこで(といっても大量の生きものが死んでいますが)、むしろ様々な森の住人たちの大事な餌や住処の供給、健全な森の維持の大事な要素でもあるんですね。

台風が去ってから二日目、もういつものようにオオシマゼミがうるさく鳴いています。


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オキナワイシカワガエルの幼体がいました。青っぽくてすごくきれい!



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by archae88 | 2018-10-03 01:49 | やんばるさんぽ | Comments(0)
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