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アルカエの日々のこと

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生きている昆虫図鑑!

6月23日に、学研からものすごい昆虫の図鑑が発売されます。

場違いながらも、撮影チームの一員として僕もお手伝いさせていただき、いくつかの沖縄の昆虫を撮影してきたこの1年間でしたが、ついにその日を迎えようとしています。

発売に先駆けて、見本誌が届きました!
梅雨の居座る沖縄の窓を開けて、図鑑を眺めてみました。

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ずしっと分厚い!



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僕が子どものころ使っていた図鑑(右)と。こちらは小学館のもの。



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(子どものころのやつ、クワガタのページをいつか失くしたのが心の痛み)



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時の流れを感じます。今回の新刊もこれぐらいなるまで使います。




すでに話題になっている図鑑なので知っている方もいるかもしれませんが、この図鑑、なんと収録されている約2800種(!)が全て『生きた状態』で撮影されています!

こんな図鑑は、学習図鑑じゃなくてもほかにありません。
実際にやらせてもらってみてわかったのですが、散々動き回る虫を光をまわして所定の角度できれいに撮る、というのはかなり大変なことで、これを収録されている分類群の全種でやったことになります。
かなりとんでもないことだと思います。

出張から帰ってきて、ついに中身を見たのですが。。
だいぶ、すごいことになっていました!!

生きている虫は、面を上げて、瑞々しい眼を行先に向けます。
生きているからこその色味と、命を感じさせる体勢が相まって、すべての個体に表情があって意思を感じるのです!
それは、普段野外で実際に目にしている昆虫たちの姿そのものなんですが、それが図鑑の中で起きている。。。!

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詳しくはお見せできませんが中身はこのような感じです!
生きた状態で図鑑に載ること自体がまれな種も少なくありません。





夜中に、今回の図鑑の旧版と見比べて、妻とはしゃいでしまいました。。!
これまでの図鑑とはまったく違う。
想像していたよりも、感動してしまいました。

撮影、執筆、本の制作をされている方々は、一流の昆虫学者や虫屋さん、写真家、仕掛け人の方ばっかりです。
僕なんて微々たるものですが、そんな人たちと一緒に仕事をさせていただいたことは、本当に名誉なことであり、最高の経験となりました。

この図鑑から入る今の小さな子どもたち(学研ネイティブ)は、どんな感覚で虫と向き合っていくのでしょうか。
いつの日か、なんらかの形でこの図鑑を超える図鑑を作るのでしょうか。長生きしたいものです!
感動と発見の詰まったこの図鑑、是非、ご家族でご覧になってみてくださいね!

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【採集・生体提供】の欄に娘の名前も入れていただきました。素早くて、僕が採れなかったトビイロヤンマを、石川五ェ門のような網さばきで娘が採ってくれたのでした!







発売日となる6月23日は、沖縄の慰霊の日です。
77年の月日が流れて、子どもたちが虫採りを楽しめる沖縄になりました。
それどころではなかった子どもたちがたくさんいたでしょう。
子を持つ親になって、我が子に思いを重ねると、胸が苦しいです。
しっかり生きないとね。

それにしても、昔の沖縄はどんな昆虫相だったのか、気になります。
オオサシガメは普通に採れたのか、あの洞窟は改変前で健全か、やんばるはどうだろう。

図鑑を片手に、ふといろいろと思います。





by archae88 | 2022-06-17 18:04 | ●お知らせ | Comments(0)
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