部屋に置いてある作業台の、ある部分から
『カリカリカリカリ。。』って盛んに音がしています。。
?カミキリムシの幼虫でも材に入っているかな??
なんて気にしていたら、1匹のハチが現れた!
メタリックブルーがとてもきれいなヤマトルリジガバチでした。
出てきたハチは特にあわてる様子もなく、でも外に行きたそうにうろうろウロウロしています。
おとなしいハチで、つまんだりしない限り刺されることはほとんどないです。
よく見ると、作業台の下のねじ穴というねじ穴に巣が作られているではありませんか!
去年の年末まで半屋外に出しっぱなしだったテーブルなので、ハチたちがそのあいだに巣をこしらえていたんですね。
このあと、別の穴から出てきた個体の、出てくるときの動画が撮れました(よかったら動画を載せたFBものぞいてみてくださいね!)。
この日は3匹のハチが個々の穴から出てきましたが、すでに出たあとと思しき穴がいくつかあって、これにも心当たりがありました。
最近家の中で飛んでいるハチをよく見かけるなと思っていたら。
まさか作業台から出てきていたとは。
ヤマトルリジガバチは、幼虫の餌となるクモを捕らえてきて巣穴に運び込むと卵を産んで蓋をします。
巣穴として、竹の空洞、サッシの穴、なにか置物の穴など、すでに開いている穴を利用します。
そしてこの時期に羽脱(蛹から羽化し外界へ脱出すること)するんだなー!
勉強になりました。
(しかし、このまま行くと、作業台の下の閉じた巣穴の数から、あと27匹出てくることになります。。)
よく似た種にベンガルルリジガバチという種がいますが、こちらは腹柄節(見かけ上の腰と腹の継ぎ目の細い部分)が真っすぐです。
腹柄節が湾曲しているヤマトとは「ベンガル(俳優さん)は心が真っすぐ」と識別点をおぼえたものです。懐かしい。
このハチだけでなく、家の中で右往左往して困っている虫を見かけたら、虫のためにも人のためにも、できれば近くの窓をそっと開けてやって、外に出るよう促してやってくださいね!
ところで、ジガバチって似我蜂と書くそうです。
今回のヤマトルリジガバチはクモを自身の幼虫の餌として与えますが、別種のジガバチでガの幼虫を与える種がいて、このガの幼虫を巣穴に運び入れる時に立てる羽音があって、この羽音が『ジガジガジガ。。』と聞こえるそうです(聞いてみたい!)。
これを『似我似我似我。。我に似よ!』という言葉になぞらえて、何か教えを説く際の見本のようなものとして書物に伝えられているそうです。
原典はとても古い時代の話みたいで、ミツバチ-蜜蜂と並んで現代でも同じ和名が用いられている昆虫の一つだそうです。
それぐらい人の生活の中に浸透していた虫、ともとれるでしょう。
ミツバチは蜜や蝋が採れるので人々の生活との結びつきが感じられてどこか納得なのですが、ジガバチってそんなに意識する虫でしょうか。
でも想像してみたら、自らの巣穴にクモやイモムシなど、自分とはまったく異なる蟲を運び入れたかと思えば(変な音出しながら)、それが運び入れたハチそのものの姿となって穴の中から現れる様を目撃すると、昔の人はさぞかし驚いたでしょうね。
様々な情報が蓄積されている現代、ジガバチの生態を大まかに本などで知っている僕も今回目の当たりにして驚きました。
布教や教訓などにその生態を重ねて、羽音もそういう風に聞きなし、身近にある確かな神秘としてジガバチが人々の心に根付いていたのもわかる気がします。
ヤマトルリジガバチもジガジガ羽音を出すのでしょうか?
聞いてみたい!!