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アルカエの日々のこと

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ピンクモダマ 2023

沖縄は今、梅雨の真ん中です。
それなのに、これといった雨も降らず、良い天気が続いています。
このまま夏になってしまいそうな、そんな風につつまれて立ちつくすこともしばしば。

海に行けばわかるかもしれない。
なんとなくそう思って、ピンクモダマ(*)を浜辺に連れ出してみました!





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あーいいねー!!





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スプラッシュ!






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やっぱり漂着ゴミの中にあるのがハッとする!(置いてます)






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現地で会った方とツーショット!(エンタダ cf. トンキネンシス)

                   ロケ地:宮古島



僕はこのピンクモダマが妙に好きで、どうにか栽培を成功させてたくさん手に入れたいと、この15年ほど栽培実験に取り組んでいます。

せっかく苦労して拾ったレアなたね(*)なのに、次から次へと実験に使うから、同じビーチコーミング(*)が趣味の人からはクレイジーがられます。
実際、大きく育てるのはなかなか難しく、もう何代目になるやら。
でも、今年の実験の基盤は過去最高で、ついに、成功してしまうかもしれません!



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幼い葉っぱよ、走れ!





海辺に立つと、なんとも陽気なかーちぺー(夏至南風)が押し寄せていました。
思い思いに合流した風たちは俄然力強く、さらに北を目指すといって止みません。
同じく南から先に到着していたアジサシらは、その羽ばたきに再会の嬉しさが弾けているようでした。

掌の中のピンクモダマも、やけどしそうなくらい熱い!
そうか、ここは島なんだな。

そして、もう大した雨は降らなそう。
夏が始まっているみたいです。





*ピンクモダマはレアなたね
とあるマメ科植物のたねのことで、3㎝ぐらいと大きい。
沖縄に生えている植物ではなく、自生地の外国から海に流れ出たたねが、黒潮にのって沖縄近海まで流れ着き、台風や冬の北風で砂浜に漂着する。
なまえのとおり、ピンクがかった紅色をしていて、とてもきれい。太陽光の下では息をのむほど、魅力的な色彩を放つ。
めったに落ちていないのでなかなか拾えるものではないが、運よく浜辺で拾った人は観賞用、お守り、心の支えとして大事にする傾向がある。
はるか昔の男の人は、意中の人に贈ったに違いない。きっと。

*ビーチコーミング
いそこじきとも。浜辺をさまよい、波によって砂浜に打ち上げられた様々なもの(漂着ゴミ)たちから、目当てのものを拾う行為。
海外のサイトを見ていると、意外と?世界規模で同様の趣味人が分布している模様。




# by archae88 | 2023-06-09 16:27 | ●生きもの | Comments(0)

巨大な扉

先日、沖縄本島のとなりにある渡嘉敷島へ虫採りに行ってきました。
ここ数年かかりっきりの、ガマアシナガアリの仲間のアリのサンプリングが目的です。

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渡嘉敷港。那覇の泊港からフェリーで1時間ちょっとで着く近さ。



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島のあちこちで目につくギーマの花は、おっさんをも「かわいー!」と少女にさせるかわいい花。



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もうヤマモモの実がなってた!食べすぎました。



たった1泊の調査だったのですが、サンプリングが早々に完了したので、島全体を流しながらアリの観察をしました。

途中、戦争時の集団自決の跡地を歩きました。
思いをはせると、胸が苦しくてしょうがない。
安らかに眠れるわけがない。アリなんぞ探している私は、精一杯生きるほかにない。

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トカシキオオサワガニ。日本最大のサワガニで渡嘉敷島の固有種。サワガニ類は各島で固有となっているものが多い。



立ち寄った森の中で、土手に作られたキムラグモやトタテグモの仲間の巣(*)を何気なく眺めていた時、今回の渡嘉敷島調査で、一番おどろいた生きものに出会いました!

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こちらは現地で普通に見られたキムラグモ類の巣(巣穴の扉から脚を覗かせて、獲物が通りがかるのを待っている)。



キムラグモ類をメインにいくつもの巣穴が見られ、改変の少ない良い目の森なんだろうなーなんて眺めていたら、オキナワトタテグモの、これまでに見たこともない巨大な巣を見つけました!
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オキナワトタテグモの巨大な巣の扉。土と同化していますが、わかりますでしょうか?扉の直径は31mmもありました!ちなみに百円玉ぐらいの直径が、よく見かける大きな扉です。



目を疑う巨大さに、一人で大きな声を何回も出してしまいました。。
発見時、この巣穴の主も、他のキムラグモ類などと同様に半開きの扉から脚を出していたのですが、あまりの大きさに圧倒されてカメラの準備に後れを取っているうちに、こちらの気配を察知したようで、いつの間にか引っ込んでしまっていました。

成長が遅いとされるこのクモが、これぐらいの大きさになるには、一体何年かかったのでしょうか。
穴を掘り崩して、中のクモを見てみたい気にかられましたが、そう考えると興味本位だけでは手がでませんでした。

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扉の中はこんな感じ。きめ細かな糸で裏打ちされている。



そして、もっとも胸が高鳴ったのは、巣穴の大きさではなくて、予想もしていなかった瞬間におこりました。

ひととおり外観を観察して、扉の中も覗いてみようかと指で扉を押し上げて覗いて、トンネルの大きさにまたびっくりして、ひととおり眺めて写真撮って、指を扉から離して扉が閉じたとき、『パタン』って音が鳴りました。

ん??ってなって、もう一回指で開いて放してみました。
『パタン』って、ちゃんと鳴りました!
あまりに大きい巣の扉だから、閉じたとき、もう『パタン』って音が鳴るんです!
やばい、愛いすぎる。ってことは?半開きの穴から脚引っ込めたとき、もしかして自力で『パタン』って鳴ってたのか?
聴きた過ぎる!!

音が聴こえるほど巨大であり、扉を閉じる音という生活音?をこんなつつましく生きているクモが人知れず出している(かも)、ということが、なんとも感動してキュンとしてしまったのでした。
それから、パタンの音が聴きたくて、どうにか、脚が再び扉から出てこないかと、数時間空けて2回通ったのですが、脚が出ることはありませんでした。
念のため、翌日の昼間にも見に行ったのですが、扉は閉じたままでした!残念!
いつかまたこのパタンを聴く挑戦に訪れたい。




おまけ
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すてきな模様。地衣類のしわざかな?



*キムラグモ、トタテグモの仲間
大きな木がよく目につく森や、人による改変の影響があまりない良い感じの森の中や林縁で、土がむき出しになっている土手を探すと、土かべの表面に数ミリから2センチ程度の直径の丸いかたちの扉が数個から数百個見つかることがある。その扉はキムラグモやトタテグモの仲間の巣穴の入り口に設けられた扉で、土と同化していてわかりにくいが、扉をめくるとちゃんと奥に続くトンネルが開いている。これらのクモは、いわゆるクモの巣のような網を空間に張るのではなく、こうした穴を地面や倒木などに掘って普段は穴の中で暮らしている。夜になると、巣穴を半開きにして脚を出し、扉の前を通りかかる獲物となる虫やワラジムシなどを待ち構えている。クモはこうした獲物を捕らえると素早く巣穴に引っ張り込んで食べる。渡嘉敷島にはこのような巣をつくるクモとして、キムラグモの仲間ではヤンバルキムラグモとクメジマキムラグモの2種が分布するとされており、巣穴だけでは識別が困難なのでここではキムラグモ類とした。トタテグモの仲間ではオキナワトタテグモが分布する。


# by archae88 | 2023-03-28 16:32 | ●生きもの | Comments(0)

2023 今年もよろしくお願いします

2023年、今年もどうぞよろしくお願いします!

年明け早々に、やんばる国頭村に家族で採蜜に行ってきました。
沖縄の冬森の味覚、フカノキ(*)のはちみつを採りに。
苦くて甘くて、一番好きなはちみつ。


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次女は大のフカノキじょーぐー(好きで目がないひと)
採蜜のあいだ、切った蜜蓋を与えたら、大興奮して食べてました!笑



ちょっとだけの収穫ですが、しばらくはトーストにかけておいしく過ごせます。


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*フカノキは、日本では九州南部から琉球にかけて自生する高木。沖縄の方言でアサグラなどと呼ばれ、晩秋から冬に咲く花からは、ほろ苦いはちみつが採れることで知られる。
深い森の中で、幹の太さ(胸高直径)が1mを超える巨木を見たときは圧倒された。


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フカノキの花(国頭村 12月)




# by archae88 | 2023-01-09 08:09 | ●はちみつのこと | Comments(0)

今年もツルヒヨドリの花の時期

11月、毎年この時期になると、あちこちで目につくようになる植物があります。
いまや悪名高い特定外来生物ともなったツルヒヨドリという植物です。



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ツルヒヨドリの花。2021年12月上旬




11月から12月にかけて、白っぽい小さな花を集合して咲かせるので、遠目にもぼわぼわしたわたのような花が目立つようになります。
(過去の記事はこちらから)

ツルヒヨドリは成長がとても早くて、つる状なのであっというまに絡みついた木々を覆っていきます。
そして、覆いつくした木々から陽の光を奪うばかりか、自らの体からほかの植物にとって害のある物質を出して、やがて弱らせてしまうことから、植物の多様性を低下させることが世界各地で警戒されています。
(環境省がまとめた情報はこちら

このツルヒヨドリ、たんぽぽと同じキク科の仲間で、たねもたんぽぽみたいに綿毛に乗せて飛ばします。
そのせいもあって、いつの間にか自宅の庭にツルヒヨドリが生えていることがよくあります。



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たんぽぽの花みたいに、フワフワしたたねをつける。2021年1月中旬




野外で増えてしまったツルヒヨドリを取り除くのは難しいことですが、自分の庭に生えている株を抜き取ることはできます。
それぞれのご家庭で、これをやればかなり効果的な防除だと思います。
そのタイミングが、種を付ける前のまさに今、10月~11月です。

特定外来生物は、外来生物法で指定されている生きものなので、抜き取るあるいは刈り取って触ることもいけないのではないかと思っている方もいるかもれません。
でも、自分の庭(所有地)に生えている特定外来種であるツルヒヨドリを抜き取って、燃えるごみとして市町村指定袋に入れて燃えるごみの日にごみ捨て場に出す行為は、違法ではありません。
むしろ、ツルヒヨドリが自宅の庭に生えていることを知りながら放置すると、『保管』という違反に抵触する可能性があるようです。

普段何気なく見ている庭の植物の中に、ちょうど今時期、小さな白っぽいつぼみをたくさん付けた、植えた覚えのないつる植物は生えていないでしょうか。
この機会に是非、ご自宅の庭のツルヒヨドリを確認してみてください。

燃えるごみというのも少し残酷な気がしますが、切ったツルヒヨドリは土の上に置いておくとその部分から根が出てきて余計に増えてしまいますから、やるからにはちゃんと処分することが肝要です。



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虫からの人気は上々。2021年12月上旬




ツルヒヨドリの花、みつばちたちは結構お気に入りの様子で、見るとだいたい来ています。
どんな味なのかしら。



# by archae88 | 2022-11-05 14:17 | ●生きもの | Comments(0)

生きている昆虫図鑑!

6月23日に、学研からものすごい昆虫の図鑑が発売されます。

場違いながらも、撮影チームの一員として僕もお手伝いさせていただき、いくつかの沖縄の昆虫を撮影してきたこの1年間でしたが、ついにその日を迎えようとしています。

発売に先駆けて、見本誌が届きました!
梅雨の居座る沖縄の窓を開けて、図鑑を眺めてみました。

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ずしっと分厚い!



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僕が子どものころ使っていた図鑑(右)と。こちらは小学館のもの。



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(子どものころのやつ、クワガタのページをいつか失くしたのが心の痛み)



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時の流れを感じます。今回の新刊もこれぐらいなるまで使います。




すでに話題になっている図鑑なので知っている方もいるかもしれませんが、この図鑑、なんと収録されている約2800種(!)が全て『生きた状態』で撮影されています!

こんな図鑑は、学習図鑑じゃなくてもほかにありません。
実際にやらせてもらってみてわかったのですが、散々動き回る虫を光をまわして所定の角度できれいに撮る、というのはかなり大変なことで、これを収録されている分類群の全種でやったことになります。
かなりとんでもないことだと思います。

出張から帰ってきて、ついに中身を見たのですが。。
だいぶ、すごいことになっていました!!

生きている虫は、面を上げて、瑞々しい眼を行先に向けます。
生きているからこその色味と、命を感じさせる体勢が相まって、すべての個体に表情があって意思を感じるのです!
それは、普段野外で実際に目にしている昆虫たちの姿そのものなんですが、それが図鑑の中で起きている。。。!

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詳しくはお見せできませんが中身はこのような感じです!
生きた状態で図鑑に載ること自体がまれな種も少なくありません。





夜中に、今回の図鑑の旧版と見比べて、妻とはしゃいでしまいました。。!
これまでの図鑑とはまったく違う。
想像していたよりも、感動してしまいました。

撮影、執筆、本の制作をされている方々は、一流の昆虫学者や虫屋さん、写真家、仕掛け人の方ばっかりです。
僕なんて微々たるものですが、そんな人たちと一緒に仕事をさせていただいたことは、本当に名誉なことであり、最高の経験となりました。

この図鑑から入る今の小さな子どもたち(学研ネイティブ)は、どんな感覚で虫と向き合っていくのでしょうか。
いつの日か、なんらかの形でこの図鑑を超える図鑑を作るのでしょうか。長生きしたいものです!
感動と発見の詰まったこの図鑑、是非、ご家族でご覧になってみてくださいね!

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【採集・生体提供】の欄に娘の名前も入れていただきました。素早くて、僕が採れなかったトビイロヤンマを、石川五ェ門のような網さばきで娘が採ってくれたのでした!







発売日となる6月23日は、沖縄の慰霊の日です。
77年の月日が流れて、子どもたちが虫採りを楽しめる沖縄になりました。
それどころではなかった子どもたちがたくさんいたでしょう。
子を持つ親になって、我が子に思いを重ねると、胸が苦しいです。
しっかり生きないとね。

それにしても、昔の沖縄はどんな昆虫相だったのか、気になります。
オオサシガメは普通に採れたのか、あの洞窟は改変前で健全か、やんばるはどうだろう。

図鑑を片手に、ふといろいろと思います。





# by archae88 | 2022-06-17 18:04 | ●お知らせ | Comments(0)